現代のカルト勧誘は、最初から宗教色を前面に出すことは極めて稀だ。自己啓発セミナー、ボランティア団体、起業コミュニティ、あるいはマッチングアプリを通じた個人的な友人作りなど、巧妙に偽装された入り口が用意されている。そこで行使されるのが、心理学的なテクニックを悪用したマインドコントロールである。
初期段階では「ラブ・ボミング(愛情爆撃)」と呼ばれる過剰な肯定と賞賛で対象者を包み込み、承認欲求を満たす。その後、徐々に「外部の世界は穢れている」「家族や友人はあなたの成長を邪魔している」と吹き込み、心理的・物理的な孤立を作り出していく。批判的思考を奪うための睡眠不足や過密なスケジュールが課され、最終的には組織の指示なしには何も決定できない精神的従属状態が完成するのだ。