事態は急転直下だった。興行の柱であったマーク・ケアーの欠場を受け、急遽リングに上がることとなった高山善廣。対するは「男の中の男」と称されたドン・フライ。イベント『PRIDE.21』のメインイベントを救うべく用意されたこのカードは、主催者であるドリームステージエンターテインメント(DSE)の想像を遥かに超える化学反応を引き起こす。
準備期間が極めて短い中、リング中央でゴングが鳴った瞬間、二人は前進を止めなかった。戦略や駆け引きを凌駕する本能のぶつかり合い。総合格闘技のリングでありながら、プロレスラーとしての矜持とストライカーとしての意地が炸裂したその光景に、会場は地鳴りのような歓声に包まれた。