ドラマの撮影現場、番組収録、イベント出演。多忙を極める芸能界のスケジュールと、一級建築士試験の猛勉強を両立させることは、常識的に考えれば不可能に近い。しかし田中道子は、その「常識」を自らの意志で打ち破った。移動中のロケバス、楽屋の待ち時間、深夜の自宅。隙間という隙間をすべて学びの時間へと変え、毎日5時間以上の勉強量を自らに課したという。
特に独学に近い環境で学科試験と製図試験を一気に駆け抜けた集中力は圧巻だ。厚い参考書を暗記するだけでなく、自らの手で図面を引き倒し、構造解析や建築法規を身体に叩き込んだ。眠気に襲われた夜は立ち上がりながらノートを開いたという逸話もある。不屈の精神と合理的かつ過酷な勉強法こそが、難関突破を果たした最大の鍵だった。