音大へ進学しクラシックの道を進んでいた彼女だが、Fukaseたちの情熱に引き込まれる形でバンド活動の準備に加わることになる。彼らが選んだ道は、ゼロから自分たちの居場所を作ることだった。東京都大田区にある印刷工場の地下室を自分たちの手で改装し、手作りのライブハウス「club EARTH」を作り上げた。
壁を塗り、防音材を貼り付ける過酷な作業の日々。音大生としての将来と、明日も見えない地下ライブハウスでの活動との間で、彼女の心は激しく揺れ動いた。しかし、完成した空間で仲間と鳴らした音は、これまで体験したことのない自由と生の実感をもたらした。クラシックの世界を飛び出し、ロックバンドとしての鍵盤奏者へと脱皮を遂げた瞬間だった。