午前9時の開店と同時に、館内の農産物直売所には長い列ができる。目当ては、地元農家がその日の早朝に収穫して持ち込んだばかりの新鮮な野菜だ。佐久地域は、昼夜の寒暖差が大きく、太陽の恵みをたっぷり浴びた高品質な作物の宝庫として知られる。レタス、キャベツ、ブロッコリーといった高原野菜は、葉が固く引き締まり、噛むほどに瑞々しい甘みが口いっぱいに広がる。
生産者の顔と名前が印字された棚には、季節ごとにカブやズッキーニ、長野名物のネギやきのこ類が所狭しと並ぶ。「昨日まで畑で育っていた野菜が、そのまま食卓に届く感動は格別」と話すのは、都内から毎週のように通う常連客だ。価格もリーズナブルで、買い物かごいっぱいに野菜を買い込む姿が館内のあちこちで見られる。
また、秋口には信州名物のリンゴやシャインマスカット、プルーンといったフルーツ類がずらりと開店前を彩る。完熟ギリギリまで木の上で育てられた果実は香りが高く、ギフト用としても飛ぶように売れていく。まさに地元の農家と都市部の消費者が直接つながる、エネルギーに満ちたマーケットだ。