カボションカットが施された丸みのある宝石の表面に、すっと一条の光が浮かび上がる現象。これこそが宝石学において「シャトヤンシー(猫目効果)」と呼ばれる現象だ。石内部に平行に整列した微細な針状結晶に光が反射することで、まるで生きた猫が細めた瞳のような幻想的な光模様が生まれる。
この現象を示す鉱物はいくつか存在するが、中でも最高峰とされるのがクリソベリル・キャッツアイである。価値を見極める最大の鍵は、光の鮮明さと背景となる地色のコントラストだ。蜂蜜のような温かみのある黄褐色から蜂蜜色(ハニーカラー)、そして光線が差し込んだ際に反面が乳白色に変化する「ハニー&ミルク効果」がはっきりと観察できるものほど、評価は跳ね上がる。光の帯が傾きによって滑らかに移動し、途切れることなく中央を横断するかどうか――その一瞬の揺らめきに、本物だけが持つ美の真価が宿っている。