いま吹き荒れるブームの震源地を辿ると、必ず一人の異端児に行き当たる。UNCHI株式会社を率いる松村貴大だ。「人類みな麺類」を皮切りに、行列が途絶えない大ヒットブランドを次々と生み出してきた彼が仕掛けた次なる一手こそ、まさに「ラーメン大戦争」という看板を掲げたプロジェクトだった。
松村の手法は、既存のラーメンカルチャーへの挑戦状そのものだ。器の縁を埋め尽くす芸術的なレアチャーシューのビジュアル、関西出汁の繊細な旨味を極限まで引き出したスープ、そして何より徹底された空間演出。彼は単なる調理人ではなく、空間と感情を設計するプロデューサーとして振る舞う。「ラーメン店は劇場であり、スタッフはキャスト、お客様は観客」と語るその哲学が、既存のラーメン店にはなかった熱狂を生み出した。
緻密なオペレーションの平準化と、SNSで拡散されることを前提としたメニュー設計。UNCHI株式会社が展開するこの強烈なビジネスモデルは、瞬く間に全国へと拡大し、ライバル各社を巻き込んだ覇権争いの引き金を引くことになった。