では、居飛車側はこの獰猛な奇襲戦法をいかにして粉砕すべきなのでしょうか。2026年の最新研究によって導き出された結論は明快です。それは「穴熊の即時放棄」と「角筋の早期遮断」の2点に尽きます。
具体的な撃退手順の急所は次の通りです。
まず、相手が端歩を突き角を端に引く気配を見せた瞬間、居飛車側は玉を深く潜らせる手を完全に停止します。目標とすべき陣形は、手数がかからず中央の守備力が高い「舟囲い」や、柔軟な「左美濃(4八玉・3八銀・5八金右型)」です。玉を5八や6八の近辺に留めておくことで、端角の斜線から自然に外れることができます。
次に、相手の生命線である角筋を止めるために▲6六歩(後手なら△4四歩)と歩を突っ掛け、角の睨みを物理的に無力化します。端角は一度射線を遮断されると、活用するために手番を浪費する「遊離駒」へと成り下がります。中央を厚く受けておき、中飛車の無理な仕掛けを銀でどっしりと弾き返せば、居飛車側の評価値は一気に+500点(勝勢圏内)へとシフトします。
さらに、端角の頭(1六や9四など)を突いて角の退路を奪う逆襲や、手薄になった振り飛車側の玉頭へ▲3八飛と回って戦場を変えるカウンターが極めて有効です。無理に攻め合わず、相手の自滅を誘う大人の受けこそが、端角中飛車に対する最も勝率の高い処方箋となります。