最終章において、物語の実質的な主役となったのはバットとリンだったと言っても過言ではない。ケンシロウのために自らの命を投げ出そうとするバットと、彼の愛に気づき涙するリン。この二人の若者の葛藤は、初期のバイオレンスアクションから始まった本作が、最終的に「愛(あい)」の物語へと昇華したことを証明している。
特にバットの成長と自己犠牲の精神は、多くのファンの涙を誘った。ケンシロウという絶対的な存在の影で、泥臭く生き抜いた彼らが示した選択は、暴力が支配する世紀末において最も尊いものが何であるかを、身をもって示していたのである。