「右手利きなのにサッカーは左足で蹴る」「左利きなのにジャンプの踏み切りは左足(=右足が利き足)」といった、いわゆるクロスドミナンス(交差利き)を持つ人は全体の約10〜20%存在します。この現象は決して異常ではなく、脳の側性化と身体発育の過程で合理的に生じるものです。
子供の利き足はいつ決まるのか
乳幼児期は両手両足を対称に使いますが、運動神経網が急速に発達する3歳から6歳頃にかけて利き手や利き足の分化(側性化)が進みます。道具を使う「手」は文字書きや箸使いなど社会的な文化・教育の影響を強く受けますが、「足」は純粋な身体バランスや遊びの中での重心移動によって自然形成される傾向があります。
遺伝の影響と環境要因
利き手に関しては遺伝的要素が約25%程度関与すると言われますが、足の優位性は後天的な環境要因にも大きく左右されます。例えば、幼少期に兄の真似をして左足でボールを蹴り始めた、あるいは特定の遊具で片足を頻繁に使ったといった経験の積み重ねが、脳内の運動野マップを書き換えていきます。利き手と利き足が逆であっても無理に統一する必要は全くなく、むしろ左右の半球を満遍なく活用できる身体的アドバンテージとして捉えるのが現代スポーツ科学の共通見解です。