複雑に見える水滴表現ですが、物理現象に沿って分解すれば、わずか5つの手順で誰でも破綻のない質感を構築できます。以下に水滴メイキングの詳細まとめとして、実制作の手順を順を追って解説します。
ステップ1:シルエットの輪郭と落ち影の配置(乗算レイヤー)
下地(肌や布、ガラスなど)の上に新規レイヤーを「乗算」で作成します。下地の色よりも一段濃い色、かつやや彩度を上げた色を選択し、硬めのペンブラシで水滴の外形を描きます。真円ではなく、重力や表面張力を考慮した涙型や楕円に歪ませるのが自然に見せる要点です。同時に、水滴が接地している直下に薄い影(カスティンシャドウ)を落とします。
ステップ2:光源側の影を強調するグラデーション(乗算レイヤー)
ステップ1と同じ乗算レイヤー内で、柔らかいエアブラシに持ち替え、光が当たっている側(上部)のフチの内側を暗く塗ります。中心部は消しゴム(軟らかめ)で薄く削り、下地の色を透けさせます。この処理により、「上部が濃く、中心から下部にかけて透き通る」ベースの明暗が完成します。
ステップ3:屈折光による底部の発光(覆い焼き発光レイヤー)
新規レイヤーを「覆い焼き(発光)」または「加算(発光)」で作成します。ここでリアルな水滴の描き方のコツとなるのが、水滴の底部(光源と真逆のフチ)に沿って三日月状の光をエアブラシで優しく乗せる処理です。さらに、接地している下地側の面にも、透過した光がほんのりと落ちる光の溜まり(コースティクス)を描き足すと、透明度が飛躍的に跳ね上がります。
ステップ4:シャープなメインハイライトの打点(通常レイヤー)
新規レイヤーを最前面に「通常」で作成し、純白(不透明度100%)を選択します。ステップ2で暗く落とした上部のフチ近辺に、Gペンなどの硬いブラシで点状、あるいは三日月状の小さなハイライトを打ち込みます。ぼかさずに輪郭をクッキリと残すことが、硬質でつややかな水面の張力を表現する鍵です。
ステップ5:環境色の映り込みとサブハイライト(通常レイヤー)
最後に、メインハイライトの対角線上や側面に、不透明度を30〜50%程度に落とした微小な白い点を打ちます。屋外なら空の青、室内なら照明の色など、周囲の環境光をスポイトで拾ってごく薄く水滴の端に乗せることで、周囲の空間と完全に調和した水滴が仕上がります。これだけで、一見するとプロが描いたような水滴イラストが簡単に実現します。