しかし、遺骨の全面的な発掘と返還には大きな障壁が立ちはだかる。厚生労働省はこれまで、現地調査や遺骨収集に対して「坑道事故であり安全上の懸念がある」「責任主体の特定が困難」といった姿勢を崩しておらず、公的な資金投入や主体的な調査に踏み切っていない。戦時下の朝鮮人強制労働をめぐる外交的・政治的センシティブさも、国の足取りを重くしている要因の一つだ。
専門家や人権団体からは、海外での戦没者遺骨収集事業と照らし合わせ、国内に残された非日本人犠牲者の遺骨に対しても同等の人道措置を講じるべきだとの批判が強く上がっている。民間での調査が進むにつれ、安全確保と技術的支援を含めた公的介入の必要性はより一層高まっており、厚生労働省の対応姿勢に対する社会的圧力が強まりを見せている。