鹿の湯から徒歩圏内にある名所「殺生石」は、平安時代の伝説に登場する九尾の狐が退治され、巨大な毒石へと変化したとされる国指定名勝です。2026年3月、この巨石が自然現象によって突如真っ二つに割れた出来事は、国内外で大きなニュースとなりました。
一部のSNS上では「不吉な予兆ではないか」「有毒ガスの噴出で立ち入り禁止になったのではないか」といったセンセーショナルな言説も散見されましたが、現地取材および環境省・町当局の発表資料によると、割断の原因は石内部の亀裂への雨水浸入と冬季の凍結膨張による自然破断と科学的に結論付けられています。
現在の殺生石周辺は、整備された木道沿いに千体地蔵や盲蛇石が並び、那須連峰の荒涼とした火山地形を間近に観察できる第一級のフィールドワークスポットとして安全に公開されています。火山性ガス(硫化水素や亜硫酸ガス)の濃度は常時観測されており、遊歩道内は通常安全ですが、くぼ地や立入禁止柵の奥はガスが滞留しやすいため、指定ルートを厳守することが必須の安全マナーです。