入試シーズンになると、SNSや大手掲示板で「共通テストリサーチでE判定だったのに国立大学に逆転合格した」という体験談が飛び交います。単なる奇跡や都市伝説として片付けられがちですが、進路指導の現場を取材すると、そこには明確な数学的必然性と傾斜配点逆転合格の理由が存在していることが分かります。
三大予備校の進路指導室長を務める関係者は、取材に対して次のように現場の実態を打ち明けています。
「1月中旬の共通テスト自己採点集計直後、生徒たちは『総合得点率』だけを見て絶望します。しかし、我々が見るのはそこではありません。特定の科目が突出して高く、かつ他の苦手科目が圧縮される配点体系を持つ大学を探し出せば、素点ベースのE判定が、傾斜後には一気にC判定、場合によってはB判定圏内へ浮上するからです。出願校の選定ミスで散る受験生がいる一方で、傾斜の歪みを突いて逆転する受験生は毎年確実に存在します」
手記や合格体験記を分析すると、成功者たちに共通しているのは以下の2点です。
1点目は、「失敗した科目の影響度を極小化できる出願先」を冷静に選別している点です。例えば、国語で時間配分を誤り100点(得点率50%)に沈んでしまった理系受験生が、国語の配点を200点から40点に圧縮する工学部に出願したケースがあります。この場合、失った100点の実質的ダメージはわずか20点分に縮小されます。残りの数学・物理で高得点を維持していれば、傾斜配点後の全体得点率は容易に80%台後半へリカバリーできるのです。
2点目は、後述する「国公立大学傾斜配点比率」と「二次試験(個別学力検査)配点比率」の相互作用を完璧に計算に入れている点です。共通テストの傾斜配点によって生じた数点のビハインドは、記述力を問う個別試験の配点比率が高い大学であれば、大問1つの部分点で容易にひっくり返せます。