中心市街地のスマートな佇まいから車を少し走らせると、筑波山の穏やかな稜線を背景にした農村集落が広がる。北条や小田といった歴史ある旧街道沿いでは、明治・大正期に建てられた伝統的な邸宅や石蔵をリノベーションした古民家カフェが静かに佇んでいる。太い欅の梁や磨き抜かれた柱、心地よい陰影を生み出す障子越しの日差しが、訪れる者の呼吸を自然と深めていく。
地元住民が足繁く通うこうした隠れ家では、茨城県産の無農薬野菜をふんだんに使ったランチプレートや、時間をかけて抽出されるネルドリップ珈琲が味わえる。最新のテクノロジーが息づく研究拠点からわずか十数分で、まるでタイムトリップしたかのような静けさに身を浸すことができる。この鮮やかなコントラストこそ、つくばの古民家巡りが人々を惹きつけてやまない最大の魅力と言える。