本作のクオリティを決定づけたのが、脇を固めるベテラン俳優陣の圧倒的な怪演でした。中でも、アフリカ愛に溢れ、気まぐれかつ強烈なワンマンぶりで学生たちを恐怖に陥れる漆原信教授を演じた江守徹の存在感は圧巻の一言でした。顔芸とも言える豊かで迫力ある表情づくりや、原作そのままの台詞回しは、実写化における奇跡的なキャスティングと絶賛されました。
対照的に、温厚で馬をこよなく愛する菅原教授役には草刈正雄が起用され、エレガントなダンディズムと動物への深い愛情を巧みに表現。また、ハムテルの祖母で西根家の絶対君主である西根タカ役を演じた名優・故岸田今日子の飄々とした名演は、作品全体に上品でシニカルな格調を与えていました。これら演劇界の重鎮たちが一切の妥協なくコメディに没頭した姿勢こそが、本作の評価を不動のものにしています。