高橋靖子の名を世界的なものにした最大の契機は、1971年にロンドンで開催された山本寛斎のデビューコレクションでした。当時無名に近かった日本のファッションがロンドンのモード界を震撼させ、その現場にスタイリストとして立ち会ったのが彼女でした。
その鮮烈なショーを観客席で目撃していたのが、当時グラムロックの旗手として台頭していたデヴィッド・ボウイやマーク・ボラン(T・レックス)です。彼らと即座に意気投合した高橋靖子は、ボウイの歴史的名盤『ジギー・スターダスト』や『アラジン・セイン』のツアー衣装として山本寛斎のコスチュームをコーディネートし、写真家・鋤田正義とともに伝説的なビジュアル群を世に送り出しました。
既成概念にとらわれない彼女のスタイリングと行動力は、気鋭のロックスターたちを深く魅了し、ボウイとは生涯にわたる深い友情と信頼関係を築き上げることになりました。