女子プロレスブームに沸いた1980年代の日本を舞台にしたNetflixのプロレスドラマ『極悪女王』。本作で彼女が挑んだのは、国民的アイドルレスラー「クラッシュ・ギャルズ」の象徴、長与千種役だった。
かつての可憐なイメージを完全に捨て去る必要があった。本格的な筋力トレーニングと過酷な増量メニューを課し、体重を10キロ近く増量。プロレス界のレジェンド本人から直接指導を受け、受け身一つで全身を痛打する日々を耐え抜いた。リング上で繰り出される技の数々、相手を睨みつける鋭い眼光。吹き替えなしで演じ切ったファイトシーンには、単なる演技を超えた凄みが宿っていた。
配信ドラマという世界基準の舞台で、彼女は「元アイドル的女優」の枠組みを自ら破壊した。肉体を酷使し、痛みに耐え、汗にまみれる。その愚直なアプローチこそが、冷ややかだった視聴者の心を激しく揺さぶる決定打となったのだ。