日本のバドミントン界を長年支えてきた「実業団」と、独立採算で戦う「プロ」の間には、雇用形態からリスクの所在に至るまで根本的な違いが存在します。
実業団選手は、所属企業(BIPROGY、再春館製薬所、トナミ運輸、NTT東日本など)の社員または契約社員として雇用されます。成績にかかわらず毎月の固定給や賞与が支給され、練習施設、専属トレーナー、国際大会や国内合宿の遠征費はすべて企業が全額負担します。引退後も社業に残る道が用意されているなど、圧倒的な生活の安定性が最大のメリットです。
対するプロ選手は完全な個人事業主(または自身が設立した法人)です。日本バドミントン協会へのプロ登録を行った上で活動し、収入は大会賞金と個人スポンサー料のみ。最大の強みは「活動の自由度」にあります。海外トップコーチの招聘や海外拠点での単独合宿、自由なツアースケジュールの設定など、自らの強化に最適な環境を妥協なく構築できます。
ただし、日本代表(A代表・B代表)の公式派遣から外れた国際大会への参戦費用、航空券代、ホテル代、帯同スタッフへの報酬といった年間1,000万〜1,500万円に上る諸経費は、すべて自己資金から捻出しなければなりません。ハイリスク・ハイリターンを覚悟した者だけが選ぶ道と言えます。