セーヌ川の風を浴びながらパリの街を歩くと、かつて見られた「主要美術館前の果てしない蛇の列」に明らかな変化が起きていることに気づく。パス保有者専用の優先レーンが整備されたことで、入館時の手荷物検査こそ必要であるものの、入場チケット購入のための待ち時間は実質ゼロに短縮された。
パスの価格を上回る価値をしっかりと引き出すには、事前のシミュレーションが欠かせない。例えば48時間(2日)パスを選択した場合、ルーヴル美術館、オルセー美術館、そしてパリ郊外のヴェルサイユ宮殿という3大拠点を巡るだけでも、個別にチケットを購入するよりはるかに経済的だ。さらに、サント・シャペルや凱旋門の屋上展望台といった小規模ながら人気の高い施設を合間に組み込むことで、時間的にも金銭的にも大きなリターンが得られる。
朝一番の開館枠(午前9時前後)に大型施設を配置し、午後には比較的空いている穴場のギャラリーを散策する。この緩急をつけたタイムライン設計こそが、混雑を優雅にかわしつつ元を取る決定的なテクニックとなる。