「自分は電話をかけただけ」「直接お金を受け取っていない」という言い訳は、法廷では一切通用しない。警視庁刑事部捜査第二課をはじめとする全国の警察組織は、通信傍受やサイバー捜査を駆使して拠点の特定を進めており、摘発の包囲網は日増しに狭まっている。
日本の刑事司法において、特殊詐欺のかけ子は「詐欺罪の共同正犯」として極めて重く処断される。初犯であっても執行猶予がつかず、実刑判決が下されるケースが大半だ。被害総額が数千万円から数億円に上る場合、組織犯罪処罰法が適用されれば、懲役10年を超える長期刑も珍しくない。さらに刑期を終えた後には、被害者からの一括損害賠償請求という過酷な現実が待ち受ける。若気の至りで手にした数万円の報酬の代償は、文字通り一生を棒に振る破滅である。