きのこは極めてヘルシーな反面、脂質がほとんど含まれていません。植物性食品特有のあっさりした風味だけで終わらせず、満足感の高い一膳に昇華させる鍵は「動物性油脂」または「大豆油分」の補給にあります。
王道の炊き込みご飯きのこ鶏肉では、鶏もも肉の皮目から溶け出す鶏油(チーユ)が米粒をコーティングし、ツヤとふくよかなコクを与えます。鶏肉に含まれるイノシン酸が、きのこのグアニル酸と出汁のグルタミン酸に合流することで、味の相乗効果が完成します。鶏肉を使用する際は、余分なドリップをペーパーで拭き取り、小さめの1.5cm角に切り揃えてから酒と塩少々で下味をつけておくと、臭みが消えて身がふっくら仕上がります。
手軽に油分を補いたい場合は、きのこ炊き込みご飯油揚げが最良の選択肢です。油抜きをあえて軽めに留め、細切りにした油揚げをご飯に散らすことで、ジュワッと広がるコクと調味だしの保持役として機能します。
さらに、近年SNSや料理メディアできのこ炊き込みご飯人気レシピの定番として定着したのが、炊きあがり直後に仕掛けるきのこ炊き込みご飯バター醤油のアクセントです。炊飯器の保温が切れた瞬間に有塩バター15gと焦がし醤油小さじ1を回し入れ、底から切るようにサッと混ぜ合わせます。乳脂肪分がきのこの土臭さをまろやかに包み込み、洋食レストランのピラフを凌駕する深いコクが生まれます。
割烹や高級和食店で実践されているきのこ炊き込みご飯プロの隠し味としては、「仕上げの生姜搾り汁小さじ1/2」または「米と一緒に炊き込むごく少量の昆布茶」が挙げられます。昆布茶に含まれる凝縮された海藻のミネラルと塩味が、きのこの甘みを一段と鮮明に輪郭づけます。