物語の原点は、あまりにも過酷な「あの世からの案内人」との契約だった。事故に遭い生死の境をさまよう太陽を救うため、雨は自らの五感を奪われるという苛烈な条件を受け入れる。失われていく順番は、味覚から始まり、嗅覚、触覚、視覚、そして最後に聴覚。愛する人の声も、その手のみくもりも感じられなくなっていく過程は、画面越しに観る者の心を激しく揺さぶった。
長崎の美しい街並みやランタンフェスティバルの幻想的な風景が、ふたりの背負う運命の重低音をいっそう引き立てる。脚本を手掛けた宇山佳佑ならではの繊細かつ容赦のない展開は、視聴者に対して「自分が相手の立場なら、この手をとれるか」という重い問いを突きつけ続けた。