二年坂(二寧坂)から産寧坂を抜け、清水寺へと続くこの一帯は、1976年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」として選定された。電線の地中化をはじめ、石畳の修繕や町家の外観維持など、徹底した景観保護が半世紀近くにわたって続けられている。
だが、この通りは単なる保存展示されたテーマパークではない。軒を連ねる七宝焼きの工房、清水焼の老舗、老舗の甘味処、そして代々この地で暮らす住民の生活が息づいている。朝一番、町家の主たちが竹箒で石畳を掃き清め、打ち水をする。その所作の一つひとつが、東山の品格を形作っているのだ。
木造建築の重厚な梁や繊細な格子窓を眺めながら歩くと、江戸から明治、大正へと移り変わる建築様式の変遷が手に取るようにわかる。参道を行き交う人々の熱気と、町家が放つ静謐な佇まい。その絶妙なコントラストこそが、参道カルチャーの真髄である。