猪俣大輝氏の知名度を決定づけたのは、大学陸上界の頂点である東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)での勇姿だ。早稲田大学競走部に所属していた彼は、2011年の第87回大会において、過酷を極める「山登り」の第5区を任された。
激しい高低差と凍てつく風がランナーを苦しめる箱根の山道で、彼は力強い走りを披露。チームの総合優勝に大きく貢献した。ただ足が速いだけでなく、プレッシャーのかかる大舞台で己のベストを尽くし切るメンタルの強さは、当時の陸上ファンに強烈な印象を残した。この時培われた自己規律と土壇場での集中力が、後のビジネスキャリアや家庭生活における揺るぎない土台となっていることは疑いようがない。