参議院選挙の比例代表は、原則として有権者が「政党名」または「候補者個人名」のいずれかを書いて投票する非拘束名簿式が採用されています。この方式では、政党の総得票数に応じてドント方式で議席数が配分された後、各党内で「個人名票を多く集めた順」に当選者が決まります。つまり、知名度や集票力のある候補者が自力で議席を勝ち取るのが本来のルールです。
しかし、2018年の公職選挙法改正によって導入された「特定枠」は、この原則に例外を設けるものです。政党は比例代表名簿を提出する際、特定の候補者を「特定枠」として指定し、あらかじめ優先順位(1位、2位など)をつけることができます。
政党が獲得した議席は、まずこの特定枠に指定された候補者に上から順に割り当てられます。特定枠以外の一般候補者は、残った議席を個人得票数の多い順で争うことになります。極端な例を挙げれば、特定枠1位の候補者が個人名票を1票も獲得していなかったとしても、政党が比例代表で1議席以上を獲得した時点で真っ先に当選が決まります。これが「個人得票数に関わらず優先当選する」と言われる理由です。