全体像の巨大さだけでなく、各パーツの細部に目を向けると、その規格外なスケールがより鮮明になります。仏教彫刻としての黄金比を保ちながら、見る者を包み込むような慈悲深さを表現するために緻密な計算が施されています。
まず参拝者の目を引くのが、前面に掲げられた右手の存在感です。恐れを取り除くサインである「施無畏印(せむいいん)」を結ぶ手のひらの大きさ(長さ)は約2.5メートル、中指だけでも約1.5メートルあります。大人が数人横たわることができる広さであり、膝の上に置かれた左手(与願印)も同様の巨大さを誇ります。
続いて頭部周辺の寸法を確認してみましょう。奈良の大仏の顔の大きさは縦約5.33メートル、幅約3.2メートルに及びます。目の長さは約1.02メートル、耳の長さは約2.54メートルと、一般的な成人男性の身長を軽々と超えるサイズです。
そして、修学旅行生や観光客の間で定番の話題となるのが「鼻の穴のサイズ」です。鼻自体の高さは約0.5メートルですが、鼻の穴の大きさは縦約37センチ・横約30センチとされています。これは大仏殿の北東(鬼門)に位置する「柱くぐり」の穴とほぼ同サイズであり、古くから「あの柱をくぐり抜けると無病息災のご利益がある」と語り継がれてきた由縁となっています。