一方で、近年の酒文化・グルメの世界では、一汁一菜からフルコースまで、一皿ごとに異なる酒を合わせる「ペアリング」が大流行している。料理の個性を引き立てるためにビール、ワイン、日本酒を同じ食事の席で楽しむスタイルは、今や美食のスタンダードだ。このトレンドを受けて、伝統ある日本酒造組合中央会も、ただ酒を避けるのではなく、チェイサーとしての「和らぎ水(やわらぎみず)」を同量以上挟みながらじっくり味わう文化を積極的に提唱している。
さらにアルコール飲料産業全体を見渡しても、スマートドリンキング(適正飲酒)や微アルコール、ノンアルコールカクテルの拡充が急速に進む。単に酔うためではなく、食事との調和や空間の豊かさを楽しむ方向へと消費者の価値観がシフトしているのだ。
こうした知的な飲み方の潮流は、NHKオンデマンドの科学ドキュメンタリーやYouTubeの解説動画などでも頻繁に取り上げられ、若い世代を中心に「翌日に響かせないスマートな嗜み方」として広く浸透し始めている。