近年の皮膚科学研究において急速に解明が進んだのは、水分と油分のバランスが崩れた際に起こる「隠れ乾燥(インナードライ)」のメカニズムだ。肌表面が皮脂で潤っているように見えても、内部の水分保持能力が低下しているケースは少なくない。
最新の臨床データが明かしたのは、化粧水で補給した水分は、油分による保護膜がなければわずか数分で蒸発し始めるという衝撃的な事実である。さらに、水分が蒸発する際に肌本来のうるおい成分まで一緒に奪い去ってしまう。乳液を省くことで「ベタつきを防いでいる」つもりが、実は過剰な皮脂分泌を招く悪循環を引き起こしていたのだ。乳液不要説の多くは、表面的・一時的な使用感に依存した誤解に基づいていることが、研究結果から浮き彫りになっている。