デジタルイラストにおける目の塗り方は、光の屈折と透過現象をレイヤー機能で論理的に再現する作業です。感覚で塗るのではなく、光がどこから入りどこへ抜けるかを整理することで、宝石のような輝きが生まれます。
プロが実践する瞳の塗り方のコツは、以下の5ステップで構成されます。
ステップ1:ベースカラーの配置
白目と黒目をそれぞれ別レイヤーで塗り分けます。白目は真っ白ではなく、わずかに青みやグレーを帯びた明度高めの色を使うと、瞳全体が落ち着いて馴染みます。
ステップ2:上部へのシャドウ(乗算レイヤー)
上まぶたの影が瞳の上半分に落ちるため、ベース色よりワントーン暗い色を「乗算」で入れます。この影のフチをわずかにぼかすことで、眼球の丸みが表現されます。
ステップ3:瞳孔と虹彩の描き込み
中心に暗い瞳孔を置き、そこから外側へ広がる虹彩の放射状の筋を描き加えます。瞳孔周辺に少し鮮やかな彩度の高い色を置くと、視線を惹きつけるポイントになります。
ステップ4:下部への環境反射光(覆い焼き・スクリーン)
瞳の下半分に、空や周囲の光が透過した明るい色をふんわりとエアブラシ等で入れます。上部の暗い影と下部の明るい反射光のコントラストが、透明感を生み出す最大の鍵です。
ステップ5:光源に応じたハイライト(加算・発光レイヤー)
最後に、主光源(太陽や照明)の位置に合わせたメインハイライトと、逆側からの小さなサブハイライトを打ちます。瞳の表面だけでなく、上まぶたのキワにも微小な光を入れると、潤んだみずみずしい質感に仕上がります。