富士通レッドウェーブが女子バスケ界の頂点を争い続ける背景には、単なる個々の能力に頼らない徹底的に構造化されたオフェンス・ディフェンスシステムが存在します。チームを長年率いるテーブスBT監督・ヘッドコーチが植え付けた哲学は、「全員が走り、全員がスペースを共有し、最も確率の高いシュートをクリエイトする」という極めてモダンなバスケットボールです。
記者席からコートを俯瞰すると、ボール保持者がパスを出してから次のアクションを起こすまでのスピードが他チームと一線を画していることが分かります。ボールを保持した選手が0.5秒以内に「シュート・パス・ドライブ」を決断する判断スピードの徹底により、相手ディフェンスのローテーションを常に後手に回らせます。
さらに特筆すべきは、3ポイントシュートの試投数と精度の高さです。インサイドで泥臭く身体を張るリバウンド争いから、一気にアウトサイドへ展開するキックアウトパス。コート上の5人全員が連動してオープンスペースを作り出すスペーシングの緻密さは、まさに現代バスケの理想形を体現しています。