「揚げた直後はサクサクしていたのに、食卓に並べて数分経つと衣がしんなりしてしまう」という現象は、軟骨内部から染み出す水分と衣が吸い込む油分が原因です。居酒屋や専門店の唐揚げが冷めてもカリカリ食感を維持できる秘密は、衣のデンプン選定と油はね防止の下処理に隠されています。
唐揚げの衣に使われる粉には主に片栗粉と小麦粉がありますが、軟骨の唐揚げにおいて最も重要なのは片栗粉(馬鈴薯デンプン)の比率を高めることです。小麦粉に含まれるグルテンは水分を抱え込みやすく、冷めると水分が衣全体に回って粘り気(ベタつき)に変わります。対して片栗粉は加熱によって強固な網目構造を作り、油の中で水分を一気に蒸発させてガラス状の硬い殻を形成します。
さらにプロの現場では、衣を付ける直前に軟骨表面のドリップを徹底的に拭き取ります。軟骨の表面に余分な水分が残っていると、油に投入した瞬間に急激な水蒸気爆発が起きて危険な油はねの原因になるだけでなく、衣が密着せずに隙間から油を吸い込んで重たい仕上がりになってしまいます。キッチンペーパーで水分を完全に遮断することが、カリカリ感を何倍も長持ちさせる最大の防壁となります。