持続可能な燃料と強力な電動化に移行した2026年新規制の最新F1マシンと比較すると、F2004の異質さがより浮き彫りになる。現代のマシンはバッテリーと1.6リッターV6ターボのハイブリッド構造により、車重が800kg前後に達する。一方、F2004の最低重量はドライバー込みでわずか605kgに過ぎなかった。
軽量な車体に900馬力超の自然吸気エンジンを組み合わせた当時のパワーウェイトレシオは、現在のマシンでは到底再現できないレスポンスを生み出していた。アクティブエアロや複雑な回生エネルギー管理が支配する現代レースに対し、純粋な空力性能とメカニカルグリップ、そしてV10エンジンの咆哮だけでコーナーを攻め立てるF2004のシンプルかつ過激な設計思想は、今なおモータースポーツファンの胸を打つ。