映画『寄生獣』において、東出昌大が演じた島田秀雄は、転校生として主人公・泉新一の前に現れる寄生生物だ。一見すると爽やかな好青年でありながら、その内側には人間を捕食対象としか見ない無機質さが潜む。この高低差を見事に体現した彼の演技は、劇場を訪れた観客を凍りつかせた。
撮影現場でのエピソードも極めて異彩を放っている。当時、役作りにあたり東出は「人間らしい呼吸や感情の揺らぎを排除する」ことに徹底的にこだわった。未公開の撮影エピソードによれば、カメラが回っていない時間でも瞬きの回数を極端に減らし、独特の無機質な視線を維持し続けていたという。パラサイトが顔を割り変形するVFXシーンの撮影では、グリーンバックの前で首の角度や微細な筋肉の動きを何パターンもテスト。監督からの高度な要求に応え続け、不気味な造形美と恐怖を完璧に融合させた。