仏教の多くの宗派において、仏壇の花は「故人の霊を供養するため」に手向けられます。しかし、浄土真宗の教義(他力本願・悪人正機)において、亡くなった方は阿弥陀如来の導きによって直ちに極楽浄土へ往生し仏となると説かれます(往生即身成仏)。そのため、追善供養(遺族が善行を積んで故人の成仏を祈ること)という概念がありません。
浄土真宗における仏花(ぶっか)の真の目的は、「阿弥陀如来が建立された清らかな極楽浄土の世界を仏壇の上に再現し、その仏徳に感謝を捧げること」にあります。仏壇を美しく飾り整えることを「荘厳(しょうごん)」と呼び、花はその重要な要素の一つです。
配置の基本としては、三具足(みつぐそく:花立・香炉・火立を1つずつ)の場合は向かって左側に花立を置きます。五具足(ごぐそく:花立と火立を1対ずつ、中央に香炉)を用いる格式の高い法要時などは、外側の両脇に一対(2本)の花立を配置します。日常のお参りでは三具足(花立1つ)で問題ありません。花の本数は、仏教で慶事・吉数とされる「奇数(3本・5本・7本)」で束ね、中央が高くなる山形(正三角形)のシルエットに整えるのが伝統的な作法です。