トイレットペーパーは単なる生活消耗品ではなく、非常時における最重要の防災備蓄品である。経済産業省は、災害時における紙製品の供給途絶リスクを考慮し、「各家庭で日常使いしながら常に1か月分以上のトイレットペーパーを備蓄する」ことを公式に推奨している。過去の大規模災害時にも、供給網の寸断やパニック買いによって売り場から紙類が真っ先に消滅した苦い教訓がある。
ここで注意しなければならないのは、ティッシュペーパーとトイレットペーパーの代用問題だ。ティッシュペーパーは水に濡れても破れにくいよう「湿潤紙力増強剤」が添加されており、水洗トイレに流すとほぼ確実に配管閉塞を引き起こす。一方、トイレットペーパーは水中で素早く繊維がほぐれるよう設計されている。つまり、トイレットペーパーはティッシュの代わりとして机の清掃や鼻水拭きに流用できるが、その逆は決して成り立たない。家庭のストックを最適化するなら、水解性のある長尺トイレットペーパーを中心に余剰を持たせておくのが最も合理的だ。