飯島愛さんを語る上で欠かせないのが、亡くなる前年である2007年3月末の突然の芸能界引退です。『金曜日のスマたちへ』をはじめ、多数のレギュラー番組を抱える売れっ子タレントだった彼女が、なぜ自らマイクを置いたのか。その背景には、複合的な要因が存在していました。
第一の理由は、長年にわたる持病の悪化と心身の限界です。彼女は重い「腎盂腎炎(じんうじんえん)」や頻尿症、激しい腰痛に苦しんでおり、生放送や長時間の収録に耐えることが困難になっていました。「嘘をつけない性格」だった飯島さんは、万全のパフォーマンスができない状態でメディアに出続けることに対し、強いプロ意識ゆえの罪悪感を抱いていたとされます。
第二の理由は、自らの足で新たなビジネスを立ち上げるという決意でした。自伝的小説『プラトニック・セックス』が500万部を超える大ベストセラーとなり、自身の生い立ちや性被害、性感染症の経験を赤裸々に告白した彼女は、女性の性や健康を守るためのヘルスケア事業(コンドームの開発・通販サイトの運営など)に情熱を傾けていました。芸能界を引退したのは逃避ではなく、一人の実業家として社会に貢献したいという強い意志の表れだったのです。