ドラッグストアやコンビニの棚に並ぶ数々のドリンク。一体どれを選ぶのが正解なのだろうか。ここで真価を発揮するのが経口補水液(ORS)である。
スポーツドリンクで代用しようとする人が多いが、実は成分バランスが大きく異なる。スポーツドリンクは糖分が高く塩分が控えめであるため、小腸での水分の吸収速度が経口補水液に比べて遅い。下痢や嘔吐が頻発している急性期には、ナトリウム濃度が高く設計された医療用基準の経口補水液を選ぶべきだ。
「経口補水療法ガイドライン2026」のアップデートでも強調されているのが、症状のフェーズに応じた「1スプーン原則」の徹底である。嘔吐が最も激しい発症直後の数時間は、あえて水分の摂取を1時間ほど見合わせ、胃を休ませる。その後、吐き気が少し落ち着いたタイミングで、常温または微温の経口補水液をスプーン1杯からスタートする。冷たすぎる飲料は胃腸への物理的刺激となり、腸管の異常収縮を引き起こすため絶対に避けたい。