三味線という楽器が誕生してから数百年の年月が流れた。今、この伝統的な木と皮の構造体が、デジタルエフェクターや大音量のPAシステム、そして演劇的なストーリーテリングと結びつくことで、これまでにない価値を生み出している。
近藤千晶の歩む道は、後進の和楽器奏者たちにとっても大きな道標となっている。正統派の流派で確固たる名跡を持ちながら、ロックや舞台の領域へと果敢に飛び出していく姿勢。それこそが、休眠しがちな伝統文化を現代のポップカルチャーの第一線へと引き戻す原動力なのだ。
溢れ出る情熱と確かな技術。彼女が爪弾く次の一音は、また新しい世界の扉を開こうとしている。