仮設土留め工事において軽量鋼矢板を安全に適用するためには、まず軽量鋼矢板の規格寸法と強度の骨格となる力学的数値を把握することが出発点となります。JIS A 5523に準拠した溶接軽量鋼矢板や各メーカーの独自プロファイルは、板厚3.2mm〜6.0mm程度、有効幅333mm〜500mmの範囲でシリーズ化されています。
設計照査において最重要指標となるのが、単位幅あたりの軽量鋼矢板の断面性能一覧に記載される断面二次モーメント($I$)と断面係数($Z$)、そしてそれらから算出される軽量鋼矢板の許容曲げモーメントです。重仮設のU型鋼矢板(II型〜IV型)と比較して自重が約3分の1から半分程度と軽量である反面、曲げ剛性には明確な限界が存在します。
設計図面の作成にあたっては、メーカーが提供している軽量鋼矢板のCADデータ(DXF・DWG形式)や最新の軽量鋼矢板カタログ仕様を直接参照し、継手(ジョイント)形状の嵌合性やコーナー矢板の割り付けを事前に確認しておくことが手戻りを防ぐ要となります。