谷川俊太郎の仕事を語る上で欠かせないのが、子ども向けの詩や「ことばあそび」の領域です。代表作『かっぱ』は、「かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった」と、濁音と半濁音、破裂音の連続によって構成されています。
この作品について、谷川は「意味よりも先に、口を動かす楽しさ、耳で聞く心地よさがある」と語っていました。文字を覚える前の子どもが夢中で口ずさみ、大人が音読しても舌が弾むようなリズム感。これは、西洋のナンセンス詩やマザーグースの翻訳を手がけた谷川ならではの、日本語の音響的実験の成果でもあります。
近年では、絵本やオーディオブック、SNS上での短編朗読コンテンツとしても『ことばあそびうた』の諸篇が再評価されています。声に出して読むことで、ストレスで強張った心身がほぐれていくようなリラクゼーション効果を実感する読者も少なくありません。