インターネットの掲示板やSNSでは「2028年に日本からAM放送が全滅する」「手持ちのAMラジオはすべてゴミになる」といった極端な言説が散見されますが、これは明確な誤解です。押さえておくべき決定的な事実が2点存在します。
第一に、公共放送であるNHKラジオの動向です。総務省の有識者会議やNHKの経営計画において示されている「NHKラジオ再編」の骨子は、ラジオ第1とラジオ第2を統合して1波のAM放送にスリム化することです。教育番組主体の第2放送を段階的に終了しつつも、第1放送は災害報道の生命線としてAM波(中波)での送出を継続します。つまり、2028年を過ぎてもNHKのAM放送を受信する目的であれば、古いAMラジオはそのまま使い続けられます。
第二に、民放局でもAMを完全廃止しない地域があるという点です。広大な面積を抱える北海道のSTVラジオおよび北海道放送(HBC)、そして秋田県の秋田放送(ABS)の3社は、内陸部や海岸線の広大なカバーエリアをFM波だけで補うには天文学的な中継局整備コストがかかることから、2028年以降も当面AM放送を維持することを表明しています。全国一律でAMが消え去るわけではありません。