ヨーロッパを中心に法制化が進んだ「忘れられる権利(Right to be forgotten)」は、日本においても検索結果の削除請求訴訟などの形で議論が深まってきた。しかし、重大犯罪の記録においては、「公の関心事」としての価値が優先されるケースが多く、完全にデジタル空間から情報を抹消することは事実上不可能に近い。
被害者遺族の「事件を風化させてはならない」という当然の思いと、過剰なプライバシー侵害や無関係な第三者への風評被害を防ぐための情報管理との間で、司法と司法行政は常に難しい判断を迫られている。2026年現在の法解釈においても、デジタル空間における過去の未成年犯罪情報の完全除去に関する明確なガイドラインは策定されていない。