教育現場や知育教室において、セミの造形は極めて優れた教材として再評価されている。幼児教育・知育のスペシャリストたちが着目するのは、空間認識能力と微細運動能力(手指を器用に使う力)の同時刺激だ。
紙の裏表の色を意識しながら左右対称に指を動かす作業は、脳の前頭前野をフル稼働させる。特にセミの折り紙は、「角を合わせる」「斜めに開く」「裏返して段をつける」といった、指先の異なる力の入れ方を短時間で一通り体験できる絶妙な構造を持っている。
玩具・ホビー産業の市場データを見ても、デジタルゲーム全盛の昨今において、アナログなクラフト知育玩具への回帰が目立つ。完成したセミを壁やカーテンに貼り付けて遊ぶ達成感は、画面をタップするだけでは得られない自己効力感を子どもたちに育む。