お茶の間に強烈な爪痕を残した転換点といえば、地上波の日本のテレビドラマで見せた冷徹な犯人役や、重厚な社会派作品で知られるWOWOWの連続ドラマWにおけるキーパーソンとしての抜擢だろう。ありふれた善悪の二元論では割り切れない、人間の暗部や孤独を滲ませた佇まいは、視聴者のみならず批評家筋からも熱狂的な賛辞を浴びた。
脚本の行間を読み解き、台本に書かれていない過去や呼吸音までも自らの血肉に変えてしまう憑依型のスタイル。型にはまった演技パターンを鮮やかに裏切り、シーンの温度を瞬時に変えてしまう彼の存在は、シリアスなサスペンスや人間ドラマにおいて欠かせないピースとなった。