北米から中米にかけて猛威を振るうトランスナショナル・ギャング、MS-13(マラ・サルバトルチャ)の存在はさらに異質だ。エルサルバドル内戦の難民コミュニティから派生した彼らは、人差し指と小指を立てる「悪魔の角(デビルホーンズ)」を模したサイン「La Garra」を自らの象徴として掲げる。
ロックやメタルのライブ会場で見かける「メロイック・サイン」と酷似しているが、意味合いはまるで異なる。MS-13のテリトリーでこのサインを向けられた場合、それは威嚇であり、絶対的な服従を強いるサインだ。手首を捻る向き、親指の折り方ひとつで意味が激変する。
彼らの縄張り意識は病的なまでに強い。近年、各国の法執行機関による徹底的な取り締まりが進む一方で、地下に潜った残党はタトゥーやサインによる組織統制をさらに先鋭化させている。