保守的かつ厳格な男社会と見なされがちだった検察組織にも、確実な地殻変動が起きている。その象徴が、最高検察庁のトップである検事総長に就任した畝本直美氏の存在だ。女性として史上初となるトップへの登壇は、法務省を含めた霞が関全体に大きなインパクトを与えた。
畝本体制下で進むのは、単なる人事の多様化だけではない。取り調べの録音・録画(可視化)の定着や、デジタルフォレンジックを駆使したIT捜査の拡充、さらには若手検事の離職を防ぐためのワークライフバランスの見直しなど、最高検察庁主導の構造改革が急ピッチで進んでいる。かつてのような「事件至上主義」による過密労働から、合理的で透明性の高い捜査機関への脱皮が、現在の組織運営における最優先課題となっている。