情報過多の時代、私たちは朝起きてから寝るまで選択を強いられ続けている。どの服を着るか、どのニュースを読むか、どのタスクから処理するか。こうした日常の微細な意思決定の積み重ねは、脳の「選択資源」を確実に削り取っていく。恋愛においても同様だ。かつてはリードすること、あるいは主導権を握ることが美徳とされたが、今の世代にとってはそれすらも「コスト」になりつつある。
結果として、相手のスマートな誘導に身を任せるスタイルが支持を集めるようになった。自分でルートを決めないデート、相手の提案に「いいね」と乗るだけの週末。それは主体性の放棄ではなく、過剰な選択社会に対するスマートなサボタージュなのだ。