スマートフォンの画面最上部に並ぶ4本のアンテナピクトは、キャリアごとに表示基準が異なる相対的な指標にすぎない。通信の真実を把握するには、国際標準化プロジェクトの3GPP(Third Generation Partnership Project)が厳格に定義した2つの絶対指標、すなわちRSRP(基準信号受信電力)とRSRQ(基準信号受信品質)を読み解く必要がある。
RSRP(基準信号受信電力)は、基地局から届く基準信号の電力をdBm(デシベルミリワット)単位で表した数値だ。通常、-50 dBmから-140 dBmの範囲で変動する。-70 dBmから-85 dBm程度であれば電波強度は極めて良好であり、-105 dBmを下回ると急激にスループットが低下し、-115 dBm以下ではパケットの再送が頻発して実質的な通信切断状態に陥る。
さらに重要なのが、電波のクリアさを示すRSRQ(基準信号受信品質)だ。周囲のノイズや他基地局からの干渉度合いをdB単位で示すこの値は、通常-3 dB(極めてクリーン)から-20 dB(激しい干渉)の間を推移する。RSRPが-80 dBmと十分に強くても、RSRQが-16 dB以下に悪化している環境下では、通信が著しく滞る。アンテナバーが4本立っているにもかかわらずデータが流れない現象は、このRSRQの大幅な劣化が原因であるケースが大半を占める。