経済ジャーナリストの立場から断言する。四季報は「読む」ものではなく「引く」ものである。辞書を最初から通読する人がいないように、四季報もまた、目的を持って引くから価値が出る。では、どんな人に四季報の購入が向いているのか。判断基準を明確に示したい。
四季報の購入が向いているのは、以下の3つの条件に当てはまる人だ。
1. 四半期ごとに自分の保有銘柄を定点観測する習慣がある人。 業績の変化や株主還元の変更を、自分で確認できるリテラシーがある投資家にとって、四季報は最も安価なデータソースになる。
2. 割安株の発掘に「地道なスクリーニング」を厭わない人。 四季報の真骨頂は、派手な成長株ではなく、増収増益なのに株価が追いついていない「埋もれた銘柄」を探す作業にある。
3. 紙の一覧性を情報処理の一部として使いこなせる人。 タブレットやPCの画面より、紙面を広げて付箋を貼る方が思考が整理できるという人には、紙版の優位性はまだ揺るがない。
逆に、次のような人には四季報の購入はおすすめできない。短期的な値動きだけを追うデイトレーダー、四季報を買えば自動的に儲かると期待する人、そして電子機器に不慣れで紙の情報をデータ化できない人だ。特に最後のケースは、紙版を買っても情報が死蔵され、2,420円のコストだけが残る。